いのち・医療への思い
私はこれまで小児科医・精神科医として勤務してきました。
小児科医として初めて目にした現実の医療は、度重なる医療ミス、過酷な小児救急、新生児集中治療病棟に置き去りにされる重症心身障害児たちなど、さまざまな問題が渦巻いていました。
現場の医師も看護師たちも疲れ果て、患者は医療に対する信頼を失い、誰も満足しない医療がどこまでも続けられていました。現場での各自の努力は虚しく、医療にとって一番大切な「こころ」が失われつつあることを感じていました。
―――このままでは、医療がダメになる。この現状を変えるには、制度を変えなければならない。そして制度を変えるには、医療のあり方、ひいては、社会保障そのものを根本となる理念から考え直さなければならない。そのためには、政治の力が必要だ。
その思いで、松下政経塾に入塾し、社会保障のあるべき姿を問うための、あらゆる研修を積みました。そして、卒塾後現在まで働いている精神科では、うつ病や自殺未遂の患者さん、認知症の高齢者の方々やその家族、またその他の多くの精神疾患の患者さんの診療も担当してきました。子どもだけでなく、若者や高齢者を取り巻く医療の現状も見たことで、より一層、政治の立場から医療制度、社会保障制度を変えていく必要性を痛感しています。
今の社会保障制度は、単なる負担の増大と給付の削減を続けるだけでは、持続可能な制度にはなりません。本来、社会の中で、誰が負担し、誰にどのように、どのくらいの保障をするのか、ということを、根本的に問い直していかなければなりません。
そのために、「もっとも助けを求めている人々」とは誰なのか、「希望を持てる」とはどういうことか、といった視点を持ちながら、人間の幸せや個と公の関係も含めた人間観、国家観とも照らし合わせ、医療・福祉・介護・年金、広くは子育て支援や雇用をも視野に入れた社会保障制度全体を、理念に基づいて抜本的に作り直していきます。



